当院は、昭和29年5月6日、小野町大字小野新町字宿ノ後4番地に国民健康保険直営公立小野新町地方病院として開院した。当初は田村郡小野新町を中心に、滝根町、大越町、夏井村、飯豊村、七郷村、三坂沢渡組合村、二瀬村、石川郡蓬田村、小平村、岩城郡川前村、双葉郡川内村の四郡に跨る3町9カ村の構成であった。当地方には病院がなく、阿武隈山地という地理的条件により交通の便も悪く、重症患者は、郡山市、又は平市の病院に入院するという状態であったため、一部事務組合を設立し病院建設の運びとなった。
医師の派遣については、全面的に福島県立医科大学の支援を受けての開設であった。現在でも医師の大半は福島医科大学から派遣されている。開院当初の施設は、診療管理棟木造モルタル一部2階建て273.5坪、病棟木造モルタル平屋建て267.75坪、病床数30床、診療科は内科、外科、小児科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科の6科、各科医師は福島県立医科大学から派遣され、職員数49名でスタートした。その後、患者の増加に伴い昭和30年1月に内科病棟32床、産婦人科病棟15床を増築、昭和30年度には隔離病舎組合を設立し併設隔離病舎1棟34床を建設した。昭和30年4月に准看護婦養成所を開設、准看護婦の養成に努める。
昭和32年に結核病棟30床を建設し、病院の内容も逐次充実されたので総合病院の名称認可申請を行い、昭和32年1月7日認可され、公立小野町地方綜合病院と改称した。また、地方行政機構の改革で町村合併が促進され、昭和35年から、組合市町村は小野町、滝根町、大越町、平田村、いわき市(三和町、川前町)、川内村の一市三町二ヶ村の一部事務組合立病院となった。昭和43年度より3年継続で、鉄筋コンクリート5階建6,383.90㎡、病床数190床(一般160床、結核30床)を建設し、昭和54年度には、へき地中核病院の指定を受けた。
平成元年度・平成2年度において、隔離病舎組合を解散、隔離病舎を廃止し、鉄筋コンクリート4階建2,628.09㎡の増築した。これに伴い、人工透析設備、CT装置の整備及びスプリンクラー等の防災設備工事を実施した。平成17年3月より、滝根町、大越町が合併により田村市となった。平成19年には、内科医退職に伴い夜間・休日の救急外来診療を休止した。
平成20年度には、病院機構改革並びに財務の見直しを実行し給食業務を外部委託した。また薬品購入業者を一本化し、薬品在庫の徹底を図るため在庫管理システムの導入を行った。
平成20年には国が示す公立病院改革ガイドラインに基づき公立小野町地方綜合病院改革プランを作成し、平成25年度まで種々の経営改革を図ることとし、一般病床を41床削減した。平成22年4月より、病院に関わる責任を明確にするため、従来の運営責任者に代わって専任の運営責任者である企業長職が設けられ、公立小野町地方綜合病院企業団として運営することとなった。
平成22年8月からは、当地域において診療していなかった皮膚科の診療を開始し、平成22年10月からは、療養病床の需要が高まったことから未利用の一般病床16床を療養病床へと転換し、結核病床については、施設の老朽化並びに対応する職員の不足等により廃止した。
平成23年3月11日に震度6弱を観測した東日本大震災により、病院施設が甚大な被害を受け、早急に建物の整備が必要となった。新病院建設にあたっては、公益財団法人ヤマト福祉財団から被災地域の生活基盤復興を目的とした助成金の交付決定を受けたことや、福島県浜通り地方医療復興計画において施設整備支援の対象と位置付けられ、施設整備に向けマスタープランが策定された。これにより、平成26年12月に鉄骨造4階建て8620.68㎡の建物が現住所に完成し、平成27年3月に新病院が開院した。
また、旧病院については、平成28年5月に解体工事が完了した。
昭和28年7月 | 国民健康保険直営公立小野新町地方病院設立認可(一般30床) |
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昭和28年9月 | 病院建設工事着工 |
昭和29年3月 | 病院建設工事竣工 |
昭和29年5月 | 開院(昭和29年5月6日) |
昭和30年1月 | 一般病棟増築工事完成(一般32床)、産婦人科病棟増築工事完成(一般15床) |
昭和30年4月 | 国民健康保険直営附属准看護婦養成所開設 |
昭和32年1月 | 総合病院認可(「公立小野町地方綜合病院」と名称変更) |
昭和32年4月 | 結核病棟新築工事完成(30床) |
昭和38年6月 | 一般病棟(32床)火災により焼失 |
昭和39年1月 | 一般病棟完成(鉄筋2階建て一般50床) |
昭和39年6月 | 創立10周年記念式典 |
昭和43年4月 | 増改築基本計画策定 |
昭和43年12月 | 第1期工事完成(看護婦宿舎) |
昭和45年1月 | 第2期工事完成(病棟5階建て一般160床、結核30床) |
昭和45年3月 | 医師住宅5戸完成 |
昭和45年7月 | 基準給食、基準寝具実施 |
昭和45年9月 | 第3期工事完成(診療管理棟) |
昭和54年3月 | 医師住宅2戸完成 |
昭和54年12月 | へき地中核病院に指定 |
昭和55年5月 | 巡回診療開始(無医地区いわき市三和町下三坂) |
昭和58年7月 | 基準看護1類承認 |
昭和59年9月 | 創立30周年記念式典 |
昭和62年4月 | 病院訓制定 |
昭和63年1月 | 在宅酸素療法認可・基本看護承認 |
昭和63年12月 | 増改築整備事業基本計画決議 |
平成元年5月 | 基準看護特一類承認 |
平成元年12月 | 増改築整備事業工事着工 |
病院開設許可事項一部変更許可(伝染病床34床減少) | |
平成2年3月 | 看護婦宿舎財産処分承認 |
平成2年7月 | 増築棟完成 |
平成2年8月 | 病院使用許可、全身用CT装置設置 |
平成2年9月 | 増築棟使用開始 |
平成2年10月 | 人工透析装置5台設置 |
平成3年3月 | 病院増改築工事竣工、防災改良工事竣工 |
平成3年6月 | 増改築落成祝賀会 |
平成4年2月 | 日赤採血所廃止承認 |
平成4年8月 | 中国黒龍江省中心医院と友好病院調印 |
平成5年9月 | 中国黒龍江省中心医院友好答礼訪問 |
平成6年5月 | 創立40周年記念「40年のあゆみ」発行 |
平成6年10月 | 新看護(3対1看護)届出、中国黒龍江省中心医院研修生2名来院 |
平成6年11月 | 人間ドック室12床新設 |
平成7年1月 | 中国黒龍江省中心医院研修生帰国 |
平成8年10月 | リウマチ科の標榜 |
平成8年12月 | 新看護(10対1看護補助)届出 |
平成9年1月 | 週休2日制により土曜日休診 |
平成11年10月 | 訪問看護ステーションこまちの里開設 |
平成12年3月 | 療養型病床群36床開設 |
平成12年5月 | 介護療養型医療施設8床開設 |
平成15年1月 | 巡回診療廃止、三坂地区患者送迎バス運行開始(火曜日・木曜日) |
平成15年2月 | 土曜診療(午前)開始 |
平成16年6月 | 病棟空調設備工事竣工 |
平成17年3月 | 滝根町、大越町が田村市となり、1町2市2村の組合構成となる |
平成17年4月 | 麻酔科の標榜 |
平成18年4月 | 新看護(15対1看護)届出 |
平成19年10月 | 夜間・休日救急外来診療休止 |
平成20年4月 | 給食業務外部委託 |
平成21年3月 | 病院開設許可事項一部変更許可(一般病床41床減少) |
(合計149床 一般病床83床 療養病床36床 結核病床30床) | |
平成22年4月 | 経営形態の変更(地方公営企業法の一部適用から全部適用へ) |
(名称を公立小野町地方綜合病院企業団と改称) | |
平成22年8月 | 皮膚科の標榜 |
平成22年10月 | 病院開設許可事項一部変更許可(療養病床の増床及び結核病床の廃止) |
(合計119床 一般病床67床 療養病床52床) | |
平成23年3月 | 東日本大震災(小野町、震度6弱)により建物被災 |
平成24年2月 | 病院開設許可事項一部変更許可(一般病床の減床及び療養病床の増床) |
(合計119床 一般病床60床 療養病床59床) | |
平成24年4月 | 公益財団法人ヤマト福祉財団 東日本大震災 生活・産業基盤復興再生支援募 |
金助成交付決定 | |
平成24年12月 | 建設事業契約締結(設計及び施工) |
平成24年12月 | 建築基本設計着工 |
平成25年4月 | 公益財団法人ヤマト福祉財団 東日本大震災 生活・産業基盤復興再生支援募 |
金追加助成交付決定 | |
平成25年5月 | 建築基本設計完成、建築実施設計着工 |
平成25年10月 | 建築実施設計完成、起工式(安全祈願祭) |
平成25年11月 | 建設工事着工 |
平成26年1月 | 泌尿器科の標榜 |
平成26年3月 | 福島県地域医療復興補助金(被災地域支援医療施設設備整備事業)交付決定 |
平成26年5月 | 新病院開設許可 |
平成26年7月 | 公益財団法人ヤマト福祉財団 東日本大震災 生活・産業基盤復興再生支援募 |
金追加助成交付決定 | |
平成26年12月 | 新病院建物竣工 |
平成27年2月 | 形成外科の標榜 |
平成27年2月 | 福島県地域医療復興補助金(被災地域支援医療施設設備整備事業)交付決定 |
平成27年2月 | 病院開設許可事項変更許可(宿ノ後4番地から槻木内6番地2へ所在地変更 ) |
平成27年2月 | 新病院竣工式典 |
平成27年3月 | 新病院使用許可、新病院開院 |
平成27年9月 | 旧病院解体工事着工 |
平成28年5月 | 旧病院解体工事完了 |
令和2年4月 | 地域一般入院料1(30床)及び地域包括ケア入院医療管理料1(30床)届出 |
令和2年6月 | 精神科(こころの診療科)の標榜 |